オランダの伝統的なサボ=木靴づくり
2024年10月26日
こんにちは、工場長の齋藤です。
やっと秋らしい気候になってきましたね
ちょっと寒い位ですが。体調崩さない様にしていきましょう。
今回は圧着機の説明をする予定だったのですが
急遽、面白い話を聞かせてもらったので内容を変更したいと思います!
サボ 皆さん知ってますよね?
もともとは木底でつくられていた、カカトのない木靴です。
最近、僕の知り合いがオランダに行ってサボの作り方を見学する事が出来たみたいなのでその
話をしたいと思ます!
長ーーーくなりますがお付き合いお願いします
オランダの昔ながらの木靴の製法で、アッパーもすべて木で彫られた伝統的なものです。
ちょっと皆さんが想像としているサボとは違うかもしれません。
オランダと言えば??
風車、チューリップ等が思い浮かぶと思います。
ですがもうひとつ、オランダの象徴となるものがあります。
それが木靴です。
作り方の前に歴史的背景から説明します
実は昔、オランダの国土のほとんどは海でした
ダムのように海水をせき止めて、大量の水を汲み上げた結果、いまのオランダの土地があります。
首都アムステルダムのダムは、そのダムなんです
へー、へーと思いますよね!
海水を汲み上げてから、まず土地を乾かし肥やさなくてはなりません。
当時は防水靴(長靴)なんかも無かったので、湿地で足を濡らさず、寒さから守るために役立ったのが木靴というわけなんです。
木靴=サボの起源は諸説ありますが、オランダもそのうちのひとつと言えます。
オランダではクロンペン(Klompen)といわれる木靴です。
写真は風車の中。
その当時、風車では水を汲み上げるほか、ココアなどの豆を挽いて粉にしたり、木の加工などが行われていました。
そこで木靴づくりも発展したのでしょう。
では、サボの作り方に行きたいと思います。
古くから伝わる、木を丸ごと彫って靴にする製法です
まず、丸太状の木を用意して、提灯のような形に粗削りします。
主にポプラの木が使われているそうです
そして、専用の機械にセットし、回転させながら削っていきます。
もう一方に完成系のサボの木型がセットされていて、それにならって木が削られる仕組みです。
僕ならただひたすら感覚で削る事位しか思いつかないです。
何十年か前に木底を片足削ったのですが半日以上かかりました。もうやらないと決心しました。
次に別の機械で足を入れる部分の空洞を彫っていきます。
これもまた一方に完成形がセットされており、それにならって彫っていく感じです。
これは職人さんが下にあるバーを動かして行うので自分の長年の感覚も、入っていそうですね。
これで足入れの良し悪しか決まりそうですね。
昔に作られた機械を今も変わらず使っているのが凄い!これらの機械を考えてた人が凄い!偉い!
機械はフランスやドイツ製みたいです
ちなみに一般的な靴の機械はイタリア製が多いです。
最後に、機械にはめるために残していた先端を切り落とし、トゥを綺麗に仕上げします。
靴作りと言うより家具職人ですね!!
写真等有りませんが、多分ここから削り出した木の表面を仕上げる為にペーパー(紙やすり)をかけて表面を仕上げて行くと思います。
粗いペーパーから細かいペーパーで。
これ結構大変だと思います!
ニスを塗ったり。その後に、色を入れたり
柄を描いたり…
大変だー!
とくに最後の色入れで見た目は決まりそうなので重要ですね。僕はその辺はセンスが無いので削り出してペーパーかける所までしか出来ないかなー。
これが元となって、いまの形に進化していったとされています。
僕たち現代人にとっては、とても履きやすそうには思えませんよね~
中敷きは貼って無い、クッションも無い
アッパー木だし。全部木か。
でも当時の作業員の方達にとっては欠かせないアイテムだったのですね
今僕たちが履いている靴は贅沢だな〜。
当時の人たちは、これが後々ファッションに欠かせないアイテムになるとは、想像もしなかったでしょうね!
ちゃんと用途があって作られてたんですね。
歴史的背景、作り方はこんな感じです
最後に、オランダのお店では、入り口に小さなサボが置かれていたりするみたいです。
お土産に良さそう!
それだけオランダを象徴するものなんですね。
伝統的な物を大切にしていかなければならないなと改めて思わされました。
浅草の靴作りも残していかないと!
効率とか売れるとかばかり考えずにゆっくり丁寧に時間をかけこだわって作れているんだな。ものづくりをしている人にとってサボ職人羨ましい!!!
長々と最後迄ありがとうございました!
サボが出来るまでお分かり頂けましたでしょうか?
又こんなネタが有ればお話して行きたいと思います!
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クロスロード生産部の靴職人たちのブログです。日々靴づくりに徹する職人たちの、普段聞けない声や熱い思いが込められています。